「新人教育 ストレス 辞めたい」
教える立場になったのに、うまく教えられなくて、自分を責めているところだと思う。
先に、この記事でいちばん具体的な数字を1つ出しておく。
2人。
俺が最初に教えることになった後輩の人数だ。
先に言っておく。この記事は、よくある新人教育の記事とは逆の話をする。
世の中の記事の多くは「覚えない後輩」「できない新人」をどう教えるか、という角度で書いてある。
俺の場合は逆だった。教える側なのに、後輩の方が知識があった。
だから怖かった。
それでも、3年目にはいつの間にか答えられるようになっていた。
順番に書く。
後輩を持ったのは、2年目からだった
未経験でIT業界に入り、テストの仕事から始めた。
2年目になったころ、俺はテストチームのリーダーになった。
ここで一言言っておきたい。
仕事がすごくできて、活躍を評価されて「君は来年度からリーダーね」となったわけじゃない。
単純に、リーダーをしていた先輩が、別のプロジェクトに異動になった。それだけだ。
そして同時に、新人が入ってくることを聞かされ、指導も任されることになった。
玉突きのような形で、教える側に回った。自分もまだ経験が浅いのに、いきなりだった。
教える側なのに、後輩の方が知識があった
2年目に持った後輩2人の内訳を書く。
- 2個上・高卒からITをやっている人
- 1個下・大卒・情報系の学部
俺はもともと文系未経験で、プログラミングに何度もつまずいてこの業界に入った人間だ。
対して、2人とも自分よりIT寄りの経歴を持っていた。
そのとき思ったことを、そのまま書く。
「自分より知識がある人だろうなと思って、正直怖かった。声かけられるのが怖かった。自分は何を知ってて何を知らないのかもわからなかったし。」
教える立場なのに、教わる方が詳しいかもしれない。この逆転が、怖さの正体だった。
「質問いいですか?」に、本気で怯えていた
日々の指導のなかで、いちばん緊張したのはここだ。
後輩から声をかけられる瞬間。
「今、少しお時間いいですか?」
この一言だけで、心臓が跳ねた。
言われた瞬間、頭の中はこうだった。
「な、なんだろう。。。質問かな?質問だったとしたら、答えれるだろうか。。」
心臓がバクバクしていた。でも、それは表に出さなかった。
平気を装って、こう返す。
「どうしました?」
答えられるかどうかも分からないまま、話を聞き始める。これを2年目、何度も繰り返した。
分からないときは、正直にわからないことを伝えた
当然、答えられない質問もあった。
そのときどうしたか、正直に書く。
「ちょっとわかんないんで。調べてからまた言います」
知ったかぶりをせずに、正直に伝えた。
⚠️ ただし、ここで終わらせなかった。
ちゃんとあとで、本当に答えた。
知ったかぶりをしなかったこと、そして言ったまま放置しなかったこと。この2つだけは、当時の自分がやっていて良かったと思っていることだ。
いま思えば、この質問に答えることが、業務知識を深く知るいい機会になっていた。
3年目、いつの間にか答えられるようになっていた
怖かったのは、ずっとではなかった。
3年目になる頃、状況が変わっていた。
そのときのことを、そのまま書く。
「3年目からはだいぶ知識がついて、『質問いいですか?』の3年目の時に入ってきた後輩にはうまく答えれたと思う。」
特別な訓練をしたわけじゃない。2年間、逃げずに調べて答え続けた結果として、いつの間にか知識がついていた。
そのときの感覚を、そのまま書く。
「その時にいつの間にか成長してるな自分と思えるようになった。」
怖がっていた質問が、いつの間にか怖くなくなっていた。
いま怖いと思っているなら、まずこれだけ覚えておいてほしい
ここまで読んで、いま自分がその渦中にいる人に伝えたいことがある。
- 答えられなくていい。「調べてから答える」でいい
- ただし、調べたら本当に答える。言ったまま放置しない
- 知識は、逃げずに続けていれば自然についてくる。怖さは、能力の差というより経験の差だ
世の中の新人教育の記事は、だいたい「できない後輩」の教え方を書いている。
でも、それが自分に合わない人も一定数いる。教える側なのに知識で負けている、と感じている人だ。
その怖さは、いずれ経験で埋まる。俺自身がそうだった。
正直に言うと、知識で劣っている場合、しんどいのは最初のうちだけだ。
知識が追いついたから怖くなくなった、というより、繰り返すうちに自然と慣れてくる。2年目の自分には想像できなかったが、本当にそうなった。
それでも辞めたいと思ったなら
ここまでは「続ける前提」の話を書いてきた。
ただ、正直に書いておきたいことがある。
後輩の指導をしながら、ふと考えたことがあった。
俺は年上だけど、IT実務としては2年目。後輩の方が、ITの実務経験としては俺より長い。
だとすると。
「つまり、俺より年収いいんじゃね……?」
確かめる方法はない。実際の額を知る機会は無かった。それでも、そんな気がしてならなかった。
そう思い始めた瞬間、こみ上げてきたものがあった。
「なんで俺の方が年収低いのに、教える立場なんだ?」
すごく、むかついた。
この漠然とした苛立ちが、頭の片隅にずっと残った。
「このまま年収の上がり幅が低かったら、転職もしないとなあ。」
この悩みの中身(当時の家計や、副業を考えて結局どうしたか)は後輩指導とは別の話なので、ここでは深掘りしない。
詳しくは別の記事にまとめている。
そして事実として、俺はその2年後に転職している。
後輩指導の怖さは、経験でいずれ埋まる。でも、それとは別の理由(教える立場なのに、自分の方が安いかもしれないという苛立ち)で「辞めたい」が積み重なることもある。
新人教育のストレスだけで判断がつかないなら、それ以外の不満も含めて、いまの状況を一度整理してみるといい。
新人教育の怖さは経験で埋まりますが、それとは別の理由が積み重なっているなら、いまの状況を話してみるのも手です。今すぐ辞めるつもりがなくても使えます。
もう一つ、別の種類の質問もあった
「分からないときは正直に伝える」には、もう一つ別のパターンがある。
「なんで〇〇ってこうなんですか?」
表面的な操作は分かる。でも、なぜそういう仕様になっているのか、根本の理由までは俺も知らなかった。
正直に書く。頭の中はこうだった。
「なんでって、そんな理由なんてわかんないよ。俺もそう聞いたしか知らない。」
1年ばかり業務が長いだけで、システム的な知識が深く身についているわけじゃなかった。
でも、そうは答えられなかった。
「先輩としての威厳は一応持っている。(笑)」
だから、こう言った。
「ちょっと俺もわからないんで、〇〇さんに聞いてみるわ」
そう言って、上司のところへ後輩と一緒に質問しに行った。
正直、先輩としての頼り甲斐みたいなものはなかったかもしれない。
それでも、適当なことを答えて、あとで違っていた場合の方が自分のせいにされる。それだけは、絶対にしなかった。
後輩指導がしんどい人には、2つのタイプがあると思う
ここまで書いてきて、この記事が全員に当てはまるわけじゃないとも思っている。
タイプA:知識で負けている(俺のケース)
教える側の知識が、後輩に追いついていない。
質問される前から、「これ聞かれたらどうしよう」と身構えている状態だ。俺はずっとこれだった。
これは経験で埋まる。俺自身がそうだった。逃げずに調べて答え続ければ、いずれ差は縮まる。
能力の問題ではなく、単純に触れてきた時間の差だからだ。時間が経てば、差は自然に縮む。
タイプB:知識はあるのに、教え方が分からない
こちらは俺のケースとは違う。
自分の方が知識はあるのに、それをどう伝えればいいか分からない。何度言っても伝わらない、噛み砕き方が分からない、というしんどさだ。
世の中に出回っている新人教育の記事の大半は、このタイプ向けに書かれている。「できない後輩」「覚えない新人」をどう教えるか、という角度だ。
もし自分がこちらのタイプなら、この記事より一般的な指導法の記事の方が参考になると思う。俺には書けない領域だ。
まず、自分がどちらのタイプかを切り分けてから、次に進んでほしい。
いま振り返って思うこと
後輩を持つ前は、自分が理解できているかどうかも曖昧なまま、何となく仕事を回していた。
でも、後輩に説明しようとすると、曖昧なままでは言葉にできない。
答えるために調べ直す。分かったつもりだった部分が、実は分かっていなかったと気づく。それを2人ぶん、何度も繰り返した。
教えていたつもりが、実際には自分の理解を固め直す作業でもあった。
怖かった時期を思い出すと苦い記憶ではあるが、指導される側のままだったら、これほど早く知識は固まらなかったと思う。
あの2人がいなかったら、この気づきは無かったかもしれない。怖かった経験自体を、無駄だったとは思っていない。
「なぜ」への質問に、上司と一緒に聞きに行ったことも同じだ。
知ったかぶりをしていたら、この機会は無かった。正直に「わからない」と言えたから、後輩と一緒に、自分も知らなかったことを知る機会になった。
先輩としての格好よさは無かったかもしれない。それでも、後から振り返れば損はしていない。
いま、何を確かめるか
新人教育のストレスで迷っているなら、確かめる順番がある。
確かめる順番は4つ
① 社内で確認する
まず、いまの状況を自分の中で切り分ける。
- 怖いのは「知識で負けていること」か(俺のケース。経験で埋まる)
- それとも「教え方そのもの」か(別の悩み。指導法の記事の方が参考になる)
- 後輩指導以外の不満(給与・待遇など)が積み重なっていないか
ここが分かると、「続ければ解決するのか」「他の理由もあるのか」が見えてくる。
俺の場合は「知識で負けている」タイプで、それは2年間続けたら自然に解決した。もし同じタイプなら、いまの職場を続けながら様子を見る、という選択肢もある。
答えられない質問が来たとき、一人で抱え込まなくていい。俺は上司に一緒に聞きに行くこともあった。誰を頼れるかも、社内で確認できることの1つだ。
② 求人を見てみる
リクナビNEXTあたりで、軽く外の求人を眺めておく。
応募しなければ何も起きない。まだ動く気がなくても、見ておくだけでいい。
後輩指導とは関係ない条件(給与・休日・残業)が、いまの職場と比べてどうなのかを見ておくだけでも、判断の材料が増える。
③ 市場価値を確認する
ミイダスの無料診断で、自分の経歴がいまどれくらいの水準か見ておく。
人に会うのが重い人はここまででいい。
後輩指導の経験は、指導した実績として経歴に書ける。怖かった時期も、いまとなっては経歴の一部になっている。
④ エージェントに相談する
①〜③は自分で見る作業だ。
いますぐ動くつもりがなくても、選択肢だけ持っておくという使い方でいい。
新人教育の怖さそのものは、経験で埋まる話であって、転職で解決する話じゃない。
ただ、それとは別の理由が積み重なっているなら、話は変わる。後輩指導とは切り分けたうえで、経歴を見た人に一度相談してみるのも手だ。
俺が1回目も2回目も相談の本体として使ったのはリクルートエージェントだった。
この4つをやると、「続ける理由」と「辞める理由」が別々に見えてくる。
ごちゃまぜのまま「もう無理」と思っているうちは、判断がぶれる。切り分けてから決めても遅くない。
新人教育の怖さは、経験でいずれ埋まる。それでも辞めたいなら、理由は他にあるはずだ。
まず、その理由を切り分けるところから始めてほしい。
無料の診断で、いまの経歴がどれくらいの水準か数字が出ます。続けるかどうかを決める前の、物差しの1つとして使えます。
エージェントを使うかどうかで迷っている人は、俺が使った3つと使わなかった5つを物流からの転職でエージェントはどれを使うかにまとめてあるので、そちらも見てほしい。
まとめ
- 玉突きでリーダーになり、2人の後輩を教えることになった。教える側なのに、後輩の方が知識があって怖かった
- 「質問いいですか?」に本気で怯えていた。でも、分からないときは正直にわからないことを伝えて、あとで本当に答えた
- 3年目には、いつの間にか答えられるようになっていた。怖さは能力の差ではなく経験の差だった
- 後輩指導がしんどい人には2つのタイプがある。知識で負けているタイプ(俺)と、教え方が分からないタイプ
- それでも辞めたいなら、理由は他にあるはずだ。後輩指導とは切り分けて考えてほしい
いま怖いと思っているなら、まずはそれが経験で埋まるものかどうか、切り分けてみてほしい。
俺は2年間、逃げずに答え続けただけだった。特別なことは何もしていない。それでも、いつの間にか怖くなくなっていた。
世の中の新人教育の記事の多くは「教え方」を教えてくれる。でも、「教える側が知識で負けている怖さ」に答えている記事は、俺が探した限りではほとんど無かった。
もし同じ怖さを抱えているなら、それは能力が無いからじゃない。単に、経験の時間がまだ足りていないだけだ。