「求人票 嘘」
いま求人票を読んでいて、この数字を信じていいのか不安になっているんだと思う。
先に、この記事でいちばん具体的な数字を1つ出しておく。
2つ。
求人票と実態がズレた経験を5つしたが、そのうち「嘘」と呼べるのは2つだった。
先に言っておく。これは2社で経験した話だ。
1社目は物流会社、2社目はIT企業。
求人票と実態がズレたことは、この2社で合わせて5回あった。
そのうち、「嘘」と呼べるのは2つだった。
残りの3つは、そのまま運用されていたのに、結果が期待と違っていただけだ。
順番に書く。
先に答える。5つのうち、嘘だったのは2つだけだった
2社で経験した5つを、そのまま並べる。
書いてあった通りに、実際に運用されていたもの。
- 昇給(物流会社)
- 固定残業40時間(IT企業)
- 全国転勤あり(物流会社)
書いてあったことが、実現しなかったもの。
- 年間休日105日(物流会社)
- 退職金あり(3年)(物流会社)
数字は、5つとも合っていた。違ったのは、それが実際に実現したかどうかだ。
①年間休日105日:数字上は合っていた。でも構造的に守れない約束だった
求人票にも、就業規則にも、正しく「105日」と書いてあった。
数字だけ見れば、嘘じゃない。
でも、中身を知ると話が変わる。
土曜も、会社は営業していた。月〜土まで配送があり、配車を組む担当は俺1人だけだった。
配送依頼が来るのは、いつも前日だ。土曜に、月曜の配車を組む必要があった。
月曜が祝日でも同じだった。祝日の配送指示と集荷指示を土曜のうちに済ませ、次の火曜の配車も組まないといけない。でも、その荷物情報が届くのは月曜だ。
だから、月曜が休みのはずの日でも、夕方だけ配車を組むために1人で出社する必要があった。
代わりはいなかった。
そのとき思っていたことを、そのまま書く。
「こんな毎日絶対続けたくねぇー!!笑」
105日という数字は、それを支えるだけの体制が無いまま、掲げられていただけだった。
だから、これも「嘘」に数える。
この105日の中身と、そこからどう転職を考えたかは年間休日105日はやめとけ?にまとめている。
②退職金あり(3年):ここも、嘘だった
求人票にも、就業規則にも、入社時の説明にも「退職金あり(3年)」と書いてあった。
丸3年勤めて、辞めた。
出なかった。0円だった。
理由の説明はされたが、正直よく分からなかった。辞めたあとネットで検索して調べ、退職金の計算期間(算定期間)に入社月・退職月を数えない特殊ルールがあったんじゃないか、というところまで辿り着いた。「辻褄が合う」と思った。
⚠️ 会社に確認したわけじゃない。あくまで推測だ。
辞めるまでの経緯と、その後「なし」と書かれた会社で40万出た話は退職金なしはやめとけ?に書いている。
③昇給:数字はあった。でも上限が最初から決まっていた
昇給の制度自体はあった。目標設定→自己評価→面談、という流れも正しく機能していた。
でも、評価Aで月7,000円。Sはほとんどついた事例がなかった。
制度は嘘じゃない。「実質、そこが上限だった」というだけだ。
評価と昇給額の詳細は昇給しない会社にいた3年間にまとめている。
④固定残業40時間:書いてあった。でも一度も超えなかった
IT企業に転職したとき、求人票には「固定残業代40時間分込み」と書いてあった。
身構えていたが、4年間、一度も40時間を超えたことがなかった。
これは悪い意味でのズレじゃない。むしろもらい得だった。
この4年間の実態は固定残業40時間はやばい?に書いている。
⑤全国転勤あり:書いてあった。知って入った
物流会社は「全国転勤あり」と最初から明記されていた。
知って入ったし、実際に転勤もした。
これはズレでも嘘でもない。ただ、実際に経験してみて分かったことは別にあった。
転勤で何が変わったかは全国転勤はやめとけ?にまとめている。
5つのうち、嘘は2つだけだった
「求人票の嘘」で検索すると、上位はだいたい同じことを言っている。
「入社前にここを見れば、嘘を見抜ける」
内訳のカラクリ、週休2日と完全週休2日の違い、変形労働時間制。「求人票は嘘だ。こう見抜け」という前提で書かれている。
俺の実感は違う。
5つのうち3つ(昇給・固定残業・全国転勤)は、実際にその通り運用されていた。結果が期待と違っただけだ。
だから、この記事では言わないことがある。
「求人票は嘘だらけ」とは言わない。それだと上位と同じことを言うだけになる。
じゃあ、何を確かめればいいのか
答えを書く。
数字を疑っても仕方ない。5つのうち3つは、実際にその通り運用されていたからだ。
確かめるべきは、数字じゃなく運用だ。
- 「年間休日105日」なら、土曜がどう扱われるか
- 「昇給あり」なら、評価の上限で実際いくら上がっているか
- 「固定残業40時間」なら、実際の残業時間の平均
⚠️ ただし、正直に書いておく。
「求人票や面接で、これを完全に見分けられるか」と聞かれたら、正直わからない。
俺自身、退職金のズレは面接では見抜けなかった。
実態を聞くしかない、とは思う。でも、面接で自分から直接聞くのは、実はリスクがある。
「休日は本当にカレンダー通りですか」「残業は実際どれくらいですか」と聞くと、「やる気がない」「福利厚生のことばかり気にしている」と思われかねない。
結局、自分だけで確かめられるのは、入社したあとになってしまうことが多い。
だから、自分で直接聞く代わりに、経歴を見た人に間に入ってもらう方法がある。
応募者本人が聞くと角が立つことも、第三者を通せば聞きやすくなる。
休日や残業の実態を自分で聞くと「やる気がない」と思われかねません。経歴を見た人に「この会社は実際どうか」を確認してもらえば、自分で聞くより角が立たず、早いことがあります。相談だけで終えても大丈夫です。
⚠️ ハローワーク経由で見つけた求人なら、そのまま窓口で運用について聞いてもいい。
5つを振り返って、共通していたこと
2社・5つを並べてみて、後から気づいたことがある。
「嘘」だった2つ(105日・退職金)には、共通点がある。
どちらも、数字そのものは正しく書いてあった。でも、それを実現するための体制や条件が、最初から整っていなかった。
105日は、それを支えるだけの人員がいなかった。退職金は、算定期間の細かいルールが(推測だが)最初から立ちはだかっていた。
「書いてあることは本当。でも、そもそも実現する気があったのか怪しい」というのが、この2つの正体だ。
一方、残り3つ(昇給・固定残業・全国転勤)は違う。
数字も、運用も、正直だった。ただ、その結果が自分の期待と違っただけだ。
だから、求人票を疑うことにエネルギーを使うより、「この数字を実現するだけの体制がありますか」と聞く方に使った方がいい。
俺が5回のうち3回で救われたのは、たまたま運がよかっただけかもしれない。でも、少なくとも「求人票は嘘だ」と決めつけて応募をやめる必要はなかった。
もう一つ、いまは面接官を見るようにしている
5つを経験して、求人票そのものへの見方も変わった。
いまは、業務内容を見て「これは楽しそうか」を、まず自分に聞く。少しでもそう思えたら、応募してみる。
書類が通れば、次は面接だ。
向こうが俺を見ているのと同じくらい、俺も面接官を見ている。
見ているのは、採用担当じゃない。現場の面接官の方だ。
その人の人柄や話しやすさは、求人票に書いてある内容以上に重要だと思っている。
運用は、聞けば確かめられる。でも、一緒に働く人がどんな人かは、会って話すまで分からない。
いま、何を確かめるか
求人票の数字で迷っているなら、正直に書く。
いちばん早いのは、エージェントに相談することだ。
まず、エージェントに相談する
「これは嘘なのか?」と思っている段階で、他の求人を眺めたり、自分の市場価値を調べたりするのは、正直ちぐはぐだ。
気になる条件があるなら、代わりに企業へ問い合わせてもらえる。
自分で聞くと「やる気がない」「福利厚生ばかり気にしている」と思われかねないことも、第三者を通せば聞きやすい。
俺が使ったのはリクルートエージェントだった。
求人票に書かれていない運用は、募集要項の外側の情報だ。そこは、中の人か、中の人に近い立場の人にしか分からない。
まだどこにも登録していないなら、なおさらだ。本気で転職活動を始めるなら、自分で求人を探し始めるより先に、エージェントに登録した方が早い。非公開求人も含めて紹介してもらえるし、今回みたいな運用の確認も、応募の前から代わりにやってもらえる。
そのうえで、自分でもできること
- OpenWorkなどの口コミサイト・知り合い・SNSで、事前に調べておく(土日出勤・年末年始・お盆の扱いも含めて)
- 他の求人と条件を並べて見ておく(リクナビNEXTなど)
⚠️ 口コミサイトはそれなりに効果がある。でもSNSの投稿は話半分でいい。そもそも会社のことをSNSに書く人がいる時点で、「載せる人いるんだ、ちょっとやばいかも」くらいに警戒しておいた方がいい。(笑)
ただし、これだけでは限界がある。俺の5つのうち2つ(105日・退職金)は、この方法でも見抜けなかったと思う。
求人票の数字を疑うより、まず聞いてみる方が早い。
無料の診断で、いまの経歴がどれくらいの水準か数字が出ます。求人を比べる前の物差しとして使えます。
まとめ
求人票の数字を見て不安になっているなら、疑う前に、運用を確かめてみてほしい。
2社・5つの経験を並べてみて、俺自身もこの比率には少し驚いた。嘘だと決めつけて動けなくなるより、運用を1つずつ確かめる方が、結局は早い。
数字が合っているかより、それを実現する体制があるか。見るべき場所さえ分かれば、求人票はそんなに怖くない。