運行管理の仕事がきつい5つの理由|配車3年で辞めた俺の1日を全部書く

  • 2026-08-10
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「運行管理 きつい」で検索したってことは、たぶん今しんどい。
もしくは、これから運行管理をやろうか迷っているところだと思う。

俺は物流会社で丸3年、配車をやって辞めた。
年収は3年目で400万まで行った。同世代と比べて、そんなに悪い数字じゃない。
それでも辞めた。

この記事では「運行管理はきつい」を根性論で終わらせずに、何が、どうきついのかを全部分解する。
先に結論を書いておく。

きついのは仕事量じゃない。
1つの仕事を、最後までやりきれないことだ。

先に:この記事で言う「運行管理」の範囲

「運行管理」と「配車」は、求人票だと別々に書いてあることがある。
でも現場だと分かれていない。配車という仕事の中に、運行管理が入っている

俺のいた会社では、この仕事をまとめて「配車」と呼んでいた。
実際にやっていたのは、この範囲だ。

  • 乗務員へのその日の配送指示・集荷指示
  • 翌日・週次・月次の配車表の作成
  • 配送指示書の作成
  • その荷物が運べるかどうかの可否判断
  • 新規の配送先のルート確認・搬入口の確認・そもそも車両が進入できるかの確認
  • 乗務員ごとの運行管理
  • 乗務員ごとの収益管理
  • 乗務員ごとの労務管理
  • 車両ごとの車検・3ヶ月点検の管理
  • 自社倉庫への卸しがある日は、荷下ろし作業の手伝い

これが全部、1人に乗る。
「運行管理だけをやる人」は、少なくとも俺のいた会社にはいなかった。

呼び方は会社によって変わるので、ここから先は、この仕事全体をまとめて「運行管理」と書く
「配車」で探してきた人も、指しているものは同じだと思って読んでほしい。

なので、この記事で書く「きつさ」はこの範囲を1人で回している人の話になる。
大手で完全に分業されている会社なら、事情はちょっと違うかもしれない。

運行管理の1日は、実際どうなっているか

定時は10時から19時だった。
数字だけ見れば、普通の会社員と変わらない。

でも実態はこうだ。

運行管理の1日は、こう潰れる定時は10:00〜19:00。でも、まとまった時間は一度も来ない10:0011:0012:0013:0014:0015:0016:0017:0018:0019:00突発対応電話・遅延自分の作業翌日の配車休憩自分の作業に使えるのは、電話と電話のあいだの15分だけきついのは仕事量じゃない。1つのことを最後までやれないこと

朝、家を出る前に電話が鳴る。
ドライバーからだ。「事故渋滞で30分遅れる」
そのまま荷主に電話して、到着が遅れる見込みを伝える。
まだ出社もしていない。

10時。パソコンを開く前に、昨日の積み残しを確認する。
確認している途中で電話が鳴る。
荷主だ。「明日の便、1件増やせますか」

増やせるかどうかは、車が空いているかで決まる。
空いていなければ、庸車(よう車=他社のトラック)を手配する。
その電話をかけている間に、また別の電話が入る。

これが19時まで続く。

一番きつかったのは、残業が長かったことじゃない。
「今日、自分は何をしたんだろう」と思いながら帰る日が、何日も続いたことだ。

運行管理の仕事がきつい5つの理由

3年やって、きつさの正体はこの5つだったと整理できた。

運行管理がきつい5つの理由電話が鳴り止まない自分の仕事が一度も進まないまま定時になるドライバーと荷主の板挟みどっちの味方をしても、誰かに恨まれる1台の穴が全部を崩すトラックが1台欠けるだけで、組み直しが始まる残業は20時間しか付かない実働30時間でも、申請できるのは20時間まで昇給は月7,000円3年やって400万。そこから先が見えない

① 電話が鳴り止まなくて、自分の仕事が一度も進まない

本来やるべきことは、さっき並べた通り10項目くらいある。
翌日の配車表、配送指示書、乗務員ごとの労務と収益、車両の点検スケジュール。
どれも頭を使うし、どれもまとまった時間が要る。

分かりやすいのは、新規の配送先が入ったときだ。
地図を開いてルートを確認して、搬入口がどこにあるかを調べて、そもそもうちの車が入れる道なのかを確認する。
入れないと分かれば、車格から組み直しになる。

これを、電話の合間にやる。

でも、その時間が来ない。

遅延の連絡、積地の変更、荷主からの追加依頼、庸車の空き確認。
全部、電話で来る。
そして全部、今すぐ返事をしないといけない。

組みかけの配車表を開いて、5分で電話。
戻ってきて、どこまでやったか思い出すのに2分。
また電話。

「集中させてくれ」って、何回思ったか分からない。

② ドライバーと荷主の板挟みになる

荷主は「今日中に運んでほしい」と言う。
ドライバーは「もう時間がない」と言う。
上は「庸車を使うな、コストが上がる」と言う。

板挟みは、性格じゃなく立ち位置の問題3方向から同時に来る。全員を満足させる答えは、そもそも存在しない荷主「今日中に何とかして」ドライバー「これ以上は積めない」会社・上司「庸車を使うな。コストだ」運行管理

全員が正しい。
そして、全員を満足させる答えは存在しない。

どこかに無理を通すしかなくて、通した先から恨まれる。
ドライバーに無理を言えば、次から協力してもらえなくなる。
荷主の依頼を断れば、営業から詰められる。

しかも、トラブルのときに謝るのは全部こっちだ。
しかもこれは「クレームの電話を取る」話じゃない。
到着が遅れそうだと分かった時点で、こっちから荷主に電話する

渋滞でも、積み忘れでも、かけるのは運行管理。
自分が起こしたわけじゃないトラブルを、自分の口から報告して、自分が謝る。
しかも、まだ何も起きていない段階でだ。

「なんで俺が謝ってるんだろう」って思う日は、普通にある。

③ トラックが1台欠けるだけで、全部が崩れる

配車は積み木みたいなもので、1台の予定が崩れると、その車が受け持つはずだった全部が宙に浮く。

当日、ドライバーが体調を崩した。
車が故障した。
それだけで、前日に組んだ配車は無になる。
限られた時間の中で、最善を考えるしかない。

他の車に振り分けられないか計算して、無理なら庸車を探す。
探すのは電話だ。1社ずつかける。

それでも見つからないと、最後は上司にお願いすることになる。(笑)
4T車は、上司の年代だと普通免許で乗れるからだ。昔は積載量の区分が違った。

申し訳ないと思いながら、「ラッキーだな」とも思ってしまう。

一度、聞いてみたことがある。
「今後のために、大型取った方がいいですか?」

返ってきたのはこれだ。
「やめとけ。俺みたいに配送させられるぞ。大型なんて取ったら遠距離も行かされる」

「確かに」と思って、それ以上は言うのをやめた。(笑)

この「いつ崩れるか分からない」感覚が、地味に一番削られる。
休みの日、ドライバーが出発する朝に電話が鳴ると、内容を聞く前に胃が痛くなる。

④ 残業は月20時間までしか付かなかった

会社のルールで、月20時間を超える残業申請は事実上通らなかった。
実際には30時間くらい働いている月でも、付くのは20時間分だ。

数字で見ると、こうなる1ヶ月の残業30時間実際に働いた20時間申請できた10時間は消える月20時間を超える申請は通らなかった年収の伸び方200万1年目350万2年目400万3年目ここで止まる昇給は月7,000円。3年目以降の絵が描けなかった

残りの10時間は、どこにも記録されない。

しかも、お盆と年末年始は「会社の休み」ということになっていたが、実態は有休を消化させられていた。
休みたい日に休むための有休は、ほとんど残らない。

「サービス残業」って言葉は知っていたけど、自分がやってるとは思っていなかった。
気づいたのは、3年目に転職サイトを眺めていたときだ。

⑤ どれだけ回しても、昇給は月7,000円

昇給は基本給に月7,000円。
年に直すと8万4,000円だ。

1年目が200万、2年目が350万、3年目が400万。
数字だけ見れば伸びている。でもこれは、1年目が4月入社で9ヶ月分しかなかったのと、賞与が付いた分が大きい。
実際の積み上がり方は、月7,000円のペースでしかない。

この計算をした日のことは、はっきり覚えている。
15年やっても、いま隣に座っている上司の年収にしかならない
その上司は、俺と同じように電話を取って、車が足りない日は自分で4T車に乗っていた。

「この仕事がきついかどうか」より、そっちの方が怖かった。

3年やって分かった、向いている人と向いていない人

同じ職場でも、平気そうな人と、俺みたいに削られる人がいた。
何が違ったのかを、あとから考えて言語化するとこうなる。

向いている人

  • 作業が中断されても、平気で戻れる人。これが一番でかい。電話で切られてもイラっとしない人は強い
  • 断るのが上手い人。「できません」を角を立てずに言える人は、板挟みで潰れない
  • その日その日で完結できる人。翌日に持ち越さず、帰ったら忘れられる人
  • 人と話すのが苦じゃない人。1日の大半が対人のやり取りなので、ここが嫌だと単純に地獄

向いていない人

  • 1つのことに集中して仕上げたい人。俺はこれだった。中断されるたびに削られる
  • 誰かに嫌な思いをさせるのが苦手な人。運行管理は、毎日どこかに無理を通す仕事になる
  • 休みの日に仕事のことを考えたくない人。電話は土日でも鳴る
  • 数年後の自分の姿を、具体的に描きたい人。⑤で書いた通り、そこが一番描きにくい

念のため書いておくと、これは能力の話じゃない。
向いていなかったからといって、仕事ができないわけじゃない。

俺は配車で身につけた段取りと調整のやり方を、今の仕事でも普通に使っている。
合わなかったのは仕事の中身じゃなくて、働き方の方だった

それでも運行管理を続けるなら、明日からできること2つ

先に書いておくと、俺は結局辞めた。
だから「続ければ報われる」とは言えない。

ただ、辞めると決めるまでの間にやって、実際にラクになったことが2つある。
すぐ辞められる人ばかりじゃないと思うので、そっちを先に書く。

① 電話で受けた情報を、その場で1か所に落とす

運行管理がきつい理由の半分は、情報が全部「口頭」で来ることだ。
電話で聞いて、メモ用紙に書いて、頭で覚えておく。
この状態だと、電話を1本取るたびに脳のメモリが減っていく。

俺がやったのは、受けた内容を全部Excelの1シートに落とすことだった。
車番、荷主、変更内容、時間、誰から。それだけ。

慣れてくると、同じ入力を毎日やっていることに気づく。
そこでExcelの関数とVBAを独学で覚えて、入力と転記を自動化した。
結果、1日30分は削れた。

30分と聞くと小さく感じるかもしれないけど、その30分は「電話が鳴らない30分」だ。
配車を組む時間が1日1回だけでも確保できるのは、体感がまるで違う。

② 「自分にしか分からない」状態を、意図的に壊す

運行管理は属人化しやすい。
どの荷主がどこまで融通が利くか、どのドライバーに何を頼めるか。
そういうのが全部、担当者の頭の中にしかない。

本人からすると、最初はちょっと気分がいい。
「俺がいないと回らない」って思える。

でも、これは自分の首を絞めている。
休めないし、休んでも電話が鳴るし、辞めるときも辞めさせてもらえない。

だから①のシートは、自分用のメモじゃなくて他の人が読める形にしておく。
これは会社のためじゃない。自分が休むためだ。

配車の属人化については、辞めるまでの流れも含めて配車から逃げた話に書いた。

「きついのは自分だけなのか」が分からないのが一番しんどい

運行管理をやっていて一番つらかったのは、比較対象がなかったことだ。
周りも同じように電話を取っている。だから、これが普通なんだと思ってしまう。

俺が最初にやったのは、転職活動じゃない。
自分の経歴が、外からいくらに見えるのかを調べただけだ。

結果を見て「思ったより低いな」と思ったけど、それでよかった。
少なくとも、頭の中だけで考えるのはやめられた。

辞めるかどうかを決める前に
自分の経歴が、いくらに見えているのかを先に知る
運行管理・配車の経験を入力すると、想定年収と、実際にオファーが来る企業が出る。応募ではないので、今の会社に何かが伝わることはない。俺はこれを見てから考え始めた。
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俺は丸3年で辞めて、年収が87万下がった

3年目に転職活動を始めて、丸3年働いてから辞めた。
IT業界に未経験で入って、年収は400万から313万に下がった。マイナス87万だ。

正直、こたえた。
手取りは20万を切って、家賃7万が重かった。
物流時代は社宅で、自己負担が月5,000円だったから、その差もそのまま効いた。

それでも後悔していない理由は1つだけで、電話が鳴らなくなったからだ。

休みの日に、仕事のことを考えなくて済むようになった。
朝から晩まで誰かの都合で予定が崩れることもなくなって、自分の仕事を最後までやりきれる。

これは年収87万分の価値があったと、今でも思っている。

ただ、これは俺の場合の話だ。
年収が下がっても平気かどうかは人によるし、下げずに動く道もある。
物流の経験がどこで使えるかは物流からの転職先おすすめ7職種に職種ごとに整理した。
運行管理に限らず「総合職として物流にいるのがきつい」なら物流総合職がきつい4つの理由の方が近いと思う。

動くなら、今日やることは1つでいい

転職活動って、一気にやろうとすると絶対に止まる。
運行管理をやりながら、職務経歴書を書いて求人を見て面接の日程を組む、なんて無理だ。
俺も何度も止まった。

だから最初は、人に話すだけでいい。

俺の場合、エージェントに「未経験の業界に行きたい」と伝えたところから始まった。
そこで「プログラミングの経験も学習実績もないと厳しい」と、はっきり言われた。
きつい言われ方だったけど、何が足りないのかが分かっただけで、動けるようになった

俺が最初にやったこと
何が足りないのかを、一度だけ人に言ってもらう
求人を探してもらうためというより、「運行管理の経験がどこで通用するのか」を聞くために使った。在職中でも問題ないし、話した結果「今は動かない」で終わらせても構わない。
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無料/在職中でも利用可。相談だけで終えてもいい

まとめ

運行管理の仕事がきつい理由を、もう一度並べておく。

  • ① 電話が鳴り止まなくて、自分の仕事が一度も進まない
  • ② 荷主・ドライバー・会社の板挟みで、全員を満足させる答えがない
  • ③ トラックが1台欠けるだけで、組み終わった予定が崩れる
  • ④ 実働30時間でも、残業申請は月20時間まで
  • ⑤ 昇給は月7,000円。3年で400万に届いて、そこから絵が描けない

この5つのうち、①〜③は仕事のやり方で少しは軽くできる
Excelに寄せる、属人化を壊す。それで完全になくなりはしないけど、確実にマシになる。

でも④と⑤は、個人の工夫ではどうにもならない。
会社の制度と、業界の給与水準の話だからだ。

だから判断はシンプルで、きつさの原因が④⑤に寄っているなら、場所を変えるしかない
俺はそう判断して、年収87万を落として出た。

物流業界そのものをどう見ているかは物流業界はやめとけ?「負け組」なのかに書いてある。
今つらいなら、そっちも読んでみてほしい。

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